神の試みに耐える年

石田 なおみ
(2007年11月18日NYJCへの転入会式にむけて)

 私は2005年9月にナザレン日本語教会で洗礼をうけました。クリスチャンになったのは、木戸ブライアン牧師が背中を押してくれた事もあると思います。

 最初は子どもに日本語のコミュニティーをと思い、ナザレン教会に通い始めました。礼拝にも参加してました。ただ神様は信じるけど、洗礼を受けることや教会に所属する事には少し抵抗がありました。ですから牧師に洗礼を勧められた時、「クリスチャンになってもいいな」という半面「この一線を越えたらどうなるのだろう?」という漠然とした不安はありました。

 2005年の1月に牧師から話があり、心の準備や洗礼式の準備を含めて秋ごろにしましょう、という事になりました。

 ところが受洗を決めてからいきなり家族に災難が降りかかって来ました。年明けに独立し共同経営を始めた夫が2月末に、パートナーと不仲になっていきなり仕事を辞めてしまったのです。

 失業状態にも関わらず、夫は「自分はずっと働きづめだったから、少し休みたい」と言ってのん気に構え、仕事をすぐに捜そうともしません。ちなみに夫は当時59歳で再就職が難しいのは一目瞭然でした。私は失業しても、悪気のない夫に腹が立ちました。家族を背負ってる責任は?それが引き金となって、今まで我慢していた細々した夫に対する不満が爆発してしまい、少しでも夫が不遜な事を言ったりすれば、口から刃が飛び出すような勢いで罵ってました。

 夫に見切りをつけて実家に帰りたくても、結婚に反対だった両親には絶縁されてたので、ここで泣き付けば「それ見ろ」と一生親に頭が上がらなくなるのは見えていました。何とかこの家庭を維持し続けなければいけない。

 この状態を教会員の人達に話して一緒に祈ってもらいました。夫はこの間のん気に教会へ通って皆にお説教されてました。私はこの困難を乗り超えるため、まず自分自身の仕事を探し始める事にしました。

 子どもが喘息になったため、前の年に正社員の仕事を辞めたばかりでしたので、ひとまずパートタイムの仕事を探す事にしましたが、皆に祈ってもらったお陰でしょうか、びっくりするぐらいすぐに仕事が見つかりました。

 そしてしばらくすると、その仕事は神様が下さったものだと思うようになりました。何故かと言うと、仕事先の秘書の方がとても親切にしてくださるのですが、少し時間が経ってお話をしてみたら、春頃からナザレン教会の礼拝に時々参加されてる男性の奥様だと分かったのです。これは神様が用意してくれたご縁だと思いました。(奥様はクリスチャンではないのですが、ご夫婦で私の洗礼式に出席してくださいました。)

 夫の方はと言うと予想どおり就職先が見つからず、ついにアルバイトを始めました。洗礼式の頃はお互いパートタイムの仕事で貯金を切り崩して生活している最中でした。

 私はその間、先が見えない不安でいつも神様に愚痴りのお祈りをしていました。頼るものがなく、ただ神様に目をむけていました。そして祈りが終わるたびに心を満たしてもらい「神様にすべてをゆだねよう」と思えるようになったのもこの頃です。

 すると、夫の事が自然に許せるようになっていました。最初は「夫を変えてください」と祈っていたのですが、やがて「私自身も変えてください」と祈っていたのを記憶しています。

 10月に、夫が依然勤めていた職場に再就職させてもらって、ようやく生活は安定しました。それからは生活が良い方向に向いてきて、小さな問題はまだあったのですが、神様にお祈りすると不思議と事が好転するハプニングが起きました。

 最初に災難が始まった時、私は、神様が私をクリスチャンにふさわしくないと災いや罰を与えているのかと思いました。けれども祈り続けて心底「神に身をゆだねよう」という思いに至った時、私は神に試されていた事に気が付きました。

 試みは辛い経験でしたが、その後の恵みは大きく、一番嬉しかったのが両親から赦された事です。妹が間に入ってくれたのですが、去年の夏、6年ぶりに息子を連れて実家に帰る事が出来ました。

 神様は信仰がゆるぎなければ、今生きるための恵みや知恵を下さる寛大な方なのです。

ハレルヤ!

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